生徒さんとお話をしてある程度性格がわかってくると余計に感じることではありますが、その人の性格は、ある程度ピアノが弾けるようになった時にわかりやすいほど演奏に反映します。
これはきっとピアノだけじゃなく、どの楽器もあるあるだと思います。
練習の仕方も然り。
昔、とても優等生で真面目な学生にレッスンした際、その方はいつも一 音一音間違わないように丁寧に演奏。
出来ないと悔しいので練習ももちろん沢山されます。
それはそれで素晴らしいことで、クラシックも音の間違いもほとんどなく演奏されました。
ただ何かが足りない。うーん…
そんな時、精神的に体調を崩され、なかなかレッスンにもこれなくなり、回復のためにピアノが役立ったようで1人で曲を弾く日々。
ある時、久しぶりにレッスンに来られ、少し簡単な曲からチャレンジ。
!!?
それまで弾いていた演奏がガラッと変わり、音は間違うけど、それまで私の中の「何かが足りない」が解決!
間違わないように、失敗しないように。
それが原因で小さくまとまってしまい、その音楽のここが好き!とか、こう弾きたい!という想いが伝わらない。むしろ感じることより間違わないことへ頭が働いて頭で弾いていたということだったんだなと。
精神的に何かが崩れて初めて気づいた頑張りすぎてた今までの自分。その方の演奏を聴いて私は思わず涙が出そうになったのを覚えています。
それでいいんよ!!そうそう!失敗することを怖がらず、伝えたいことや想いを爆発させてみようみよう!
そんなレッスンが続き、その後、クラシックしか弾かなかった彼女が作曲や弾き歌いまで、演奏が粗くなっても今までよりずっと伝わる演奏をしてくれました。
うまい演奏が故に、小さくまとまってつまらなくなってしまうこと。これはバンド経験でも何度も感じる場面がありました。
うまい=いい演奏=人の心を動かす演奏
ではないんですよね。
もちろんクラシックや基本は大事です。
基本が出来た上で大事なこと。
「考えるより感じろ」
まさにそういうことなんだと思います。
この経験は人生、生き方にも繋がるように思います。
失敗しないように生きてたら小さくまとまってしまう。
変化を怖がらず、何でもチャレンジして失敗してもいいから新しいことを沢山吸収してダイナミックに生きたいものです。
みんなそれぞれですが、私はそう思います。
生徒さんが昔教えてくれた貴重な経験。