最近でこそ発達障害という言葉をよく聞くようになりましたが、昔も診断されなかっただけで必ずありました。
理由が分からず苦しむより、わかって受け入れてどうするか、受け入れることはなかなか大変だと思いますがこの流れの方が間違いなく前向きで、生きやすくなるように感じます。
寄り添い、強制しないレッスン
岡山に戻ってすぐの頃、自閉症スペクトラルのお子さんの出張レッスンを依頼されたことがありましたが、うまくいきませんでした。
今考えると、何が出来て何が出来なくて何に苦しんでいるのか、理解不足とお母さんとのコミュニケーション不足、ピアノレッスンの固定観念、色んな面が重なって力不足のままで終わりました。
今、櫻根座ピアノレッスンに通ってくれている子の中に自閉症を持っている小学生がいますが、本当に純粋で元気でピアノが大好き♪
最初は楽譜への理解が難しく、耳で聴いて手グセで片手で何となく弾いているのを静かに笑顔で見守るところから始まりましたが、レッスンしていく中で「こうすれば弾けるかも!」という気づきがあり、色々とやってみました。
【レッスン記録】
①本人が弾きたい曲を私が弾き、上からスマホで小分けに撮ってもらう。
最初は片手でしたが、この方法が成功したので、両手バージョンも^^
これでかなりおうちで練習してくれたみたいで、両手でも弾けるように!
本人の弾きたい想いと努力、そして静かに優しく見守って下さるお母さんのご協力の賜物です。
これで1つ自信をGET!
(この成功体験が今後のレッスンでとても大事になってきます!)
色々レッスンで話をしている中で、鍵盤ハーモニカには鍵盤にドレミを貼っているから弾けること発覚!
ならばピアノにも貼ってみたらどうだろうか、とトライ。
②鍵盤にドレミシールを貼る。(剥がした時にベタベタしない養生テープを使用♪)
③これと合わせて、楽譜ではなくドレミで書いたメロディ譜でトライ!
雑ですが思いつきでその場で書くのでOKってことで笑
指番号には苦手意識が強く、"出来ない"が勝ってしまうので敢えて制約なし!
なんと、これだとすらすら弾けちゃう!
これは凄いぞ!と興奮した私。
1曲を小分けに10枚ほど書きましたが、動画もメロディ譜も小分けにするのは"出来るかも!"を感じるため。
こうやって弾ける曲が増えるとまた1つ自信GET!
その後、昔お母さんが買ってくれていたドレミが書いてある楽譜から1曲、ベートーベンの第九なら出来るかも!と自主的に練習。
しかも両手で!
これは本当に感動しましたね。
ドレミが書かれていてもいいんです。
楽譜を弾けるかもと思って手にしてくれたことが前進!(T ^ T)
練習した動画をお母さんが送って下さった際に、お家のピアノの鍵盤にどういうシールが貼ってあるかも確認でき、レッスン室のドレミシールをお家と同じカタカナに変え、高い音にはドレミの上に点、低い音にはドレミの下に点を書き、改良。
④第九でトライした楽譜と同じように、ドレミを書いた簡単楽譜&日常で使える曲「ハッピー・バースデイ・トゥー・ユー」をPCで作成しトライ。
いきなりレッスンでトライしてみましたが、一生懸命に弾いてくれ、最後まで両手で弾けました!
左手は小指を使わず、ほとんど親指と人差し指で弾いているので、試しに小指で弾くことを勧めてみたところ…
指番号は嫌い、出来ない、やりたくなくなる!と席を立ってしまう^^;
ちょっと早かったか、と内心思いつつ、笑いながら他の話をしてコミュニケーションタイム。
ポケモンの曲を一緒に聴いたり歌ったり絵を描いたり曲に合わせて踊ったり^^
ハッピーバースデーは指番号はなんでもよいからまた弾いてきてねーと楽しくレッスン終了。
レッスン室を出る時は「あと何日寝たらまた会えるかなぁ」とキュンキュンする言葉をくれました^^
ピアノレッスンでは音符を覚えるために音符の下にドレミを出来るだけ書かない、という方法で進めることが多いですが、発達障害やピアノ教則本に興味を持てない子供達のレッスンはまずは先生が常識と呼ばれるようなものは捨てて頭をニュートラルにするところからです。
ピアノだけではなく、コミュニケーションをしっかりとってリラックスすることも大事。
日々、これでいいのかな、これでいいんだ、の繰り返し。
何はともあれ、好きに勝るものはなし。
好きのきっかけなんてみんなそれぞれ。
まずは子供達のレッスンは焦らずゆっくり向き合って、"好き"を作り出せるレッスンを。
この時期の感情は大人になっても影響しますからね。
一人ひとりにあったレッスンアイテム作りをやっていると自然と増えてくるグッズ。
近日中にボンゴを導入予定。
リズムを楽しく学ぶにはどうせならいい音で体験させてあげたいですね^^