先日、小学生(高学年)の女の子の合唱伴奏ワンポイントレッスンをやってまいりました。
既にピアノを習っていて、漠然としたダメをつきつけられ、どうしていいかわからず自信を失くした子のお助けマンとして呼ばれましたので、より具体的、最短で上達するレッスンを行いました。
そんなこと出来るのかって?
出来るんです(^_-)
騙されたと思って私の言う通りに練習やってごらんと出張レッスン2回。
アドバイスを忠実に守って練習してくれたのか見事上達!月とスッポン 天地の差!
そりゃもうハイタッチもんですよ(^ー^)ノ
子どもだけではありませんが、「どこをどうしたら」という具体的なアドバイスがどれだけ大事なことかを改めて感じた瞬間。
先生がそれがわからないと指導にはならず、上達しないどころか、出来ない、才能がないと勘違いして嫌いになってしまうんです。
実にもったいない!!
どれだけの人がこんな勘違いしてトラウマになってきたか。
大人になって再開する生徒さんの話を聞くたびに、指導者の責任の重さを再認識し、気が引き締まります。
前置きはそれぐらいにして、2回のレッスンについて。
まず全体を聴いて弱点を見つける。
①リズムの正しい認識が出来ていない
②出来るところと出来ないところがある
③自信がない
①②はすぐに直ります。
何事も技術より精神的なところから。
③から速攻メンテナンスです。
聴いて終わったら間髪いれず、何も問題ない、すぐ直る!を伝え、良いところを褒めて安心させる。
笑顔を引き出し、間髪いれず、私についてきてと余裕の笑顔で信頼関係を作る。
1回目のレッスンは左は一切弾きません。
メトロノームを使っていなかったので、用意してもらい使い方を伝授。
これ以上ないくらい、何の曲かわからないくらい、詰まる箇所がないぐらいゆっくりなテンポからスタート。
少しでも引っかかる箇所があったら部分的に徹底練習。
焦らず、右だけひたすら次回のレッスンまで練習依頼。
ついでにリズム本を貸し、リズムを言葉で覚える。
2回目のレッスンは右の復習。
出来てる出来てる!
よし、今日は左。
右と同じように片手ゆっくり練習。出来ないところがないように部分練習。
両手も少し合わせてみる。本人が出来てる自分にびっくり笑
メトロノームでゆっくりテンポから徐々にアップ!
詰まる箇所は部分練習。最初から最後まで同じテンポで詰まらず出来るまでテンポをあげない。
私に上手に騙され笑
彼女のピアノは2回のレッスンで見違える上達と、何より自信を取り戻し、楽しくピアノに向き合う嬉しい変化がありました。
先生業の醍醐味。この瞬間があるからたまらない。
そしてタイトルにもある1分のワンポイントレッスン。
全体がリズムよく、テンポアップで両手で弾けるようになり意気揚々と弾く中にも、まだまだ弱点はあるわけです。
独学はここでおしまい。弱点に気づかないまま次の曲へ行くので全体的にどの曲も雑な演奏になってしまいます。
自分では気づかない弱点を知ればさらにクオリティ高い演奏が出来る。習う意味はここに行きたいから。
彼女は自分が同じ箇所でミスタッチをしていることに気づいておらず、それは自分の音をきちんと聴けていないということ。
「もっと自分の音に敏感にシビアに」を伝え
①4分音符2拍分、小節最後の拍のグリッサンドから小節頭の和音を続けて10回。
②5回続けてミスタッチなしで出来るまで弾く。
③少し前からの流れで4小節続けて弾く
これ、1分で出来ます。意外と長いんです 1分。
これをやってミスタッチなく楽に弾けて驚くのは私なんかより本人なんです。
これを感じれたかどうかが、今後のピアノとの関わりも変わり、はたまた他の勉強でも変わってくる気がします。
ただ間違いながら最初から原型に近づけて通して雑に弾くよりずっと近道。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
by イチロー
野球もピアノも一緒なんですね(^^)
いい演奏家がいい指導者とも限らず。
人に物事を伝えるとは奥が深く、指導者も常に勉強です。
楽器練習で行き詰まっている方がいたら、練習の仕方、部分練習、参考にしてみて下さい(^_-)